周術期口腔ケア

周術期とは?


入院、麻酔、手術回復といった患者様の術中だけでなく前後の期間を含めた一連の期間をいいます。一般には手術に必要な3つの段階、術前、術中、術後の事です。

 

当医院では、全身麻酔手術を受ける患者さんご自身や、手術を受けられる医療機関からオペ前

周術期口腔ケアを依頼されことがここ最近多くなってきてす。大切な事は、日ごろからの

定期検診や歯科衛生士による口腔内清掃が大切であるということです。

 

通常人の口腔内には、約100億個の細菌がいると言われています。

歯の表面に付着する「歯垢」は、食べかすではなく,細菌のかたまりです。

歯垢は、汚れの膜(バイオフィルム)になっており、専用の機械で取り除くお掃除をしないと

「うがい」やご自分での歯ブラシでは取り除くことができません。手術前の口腔内ケア」で

「歯垢」や「歯石」を可能な範囲で取り除きお口の中をきれいな状態にします。

また、歯のない方は、粘膜や舌の清掃や、入れ歯の清掃方法をご指導いたします。


口腔ケアの効果


抗がん剤による口内炎

  一般 一般的に口腔内の粘膜にあらわれる炎症を、口内炎といいます。抗がん剤治療(化学療法中は、免疫が低下することによって口腔内に口内炎ができることが多くあります。

 

抗がん剤治療を始めて3~4日で口腔内の粘膜が赤くはれたり、口内炎の痛みが強くつらい時期があると報告されています。その後、1ヵ月ぐらいで粘膜の再生は進みます。繰り返し抗がん剤の治療の度に口内炎を発症したり、粘膜が腫れる症状がみられます。

 

●症状(口内炎)

症状のピークは、抗がん剤投与の1~2週間後にみられます。症状としては血が出る、

痛い、冷たいもの熱いものがしみる、口腔内が乾く、味覚がない、食べ物の嚥下がう

まくいなど・・・・があげられます。

  これらの症状により会話や食事をすることが難しくなり、精神的な苦痛を伴うようです

●発症頻度(口内炎)

  顔や首の回りへ放射線治療をおこなったときは100%、強い抗がん剤や抗がん剤の

  量を多く使った場合は70~90%、通常の抗がん剤を使ったときは30~40%の

  頻度で口内炎が出来ます。

がん治療を受けらる患者様へ

がん治療よって口腔内に上記のようなざまざまなつらい症状が発症します。それらを

少しでも軽くし治療効果を上げるために抗ガン治療前にむし歯の治療、歯周病の治療、

口腔内クリーニングをうけられることが大切になってきます。

 

がん治療前にも免疫の低下により歯科での麻酔や歯周病治療が難しい場合があります。

 その場合外科内科の主治医の先生と相談しながら歯科での治療や予防を行っていきます。