薬で治す歯周病治療
お口の中の疾患
歯科における2大疾患と言えば、「虫歯」と「歯周病」
特に歯周病は、日本人の80%以上の方がなる現代病です。
歯周病治療と言えば、ブラッシング指導や歯石の除去、歯の周りのクリーニング(PMTC)が基本的な治療でした。
しかし、この基本的な治療を行なっていても歯ぐきの炎症や歯肉の腫れ・出血、口臭などで悩まれ、歯周病で歯を失う方がいます。
歯周内科療法では、簡単に薬で治すことが可能です。
原因である菌を特定し、薬でその菌を退治する最新式の治療方法が
「顕微鏡を使った歯周内科療法」です。
位相差顕微鏡で歯周病菌を確認する
位相差顕微鏡でお口の中から採取したプラーク(歯垢)を確認し、歯周病菌の有無やカビ菌の量を確認します。
●歯周内科療法の治療方法
(1)位相差顕微鏡での菌の確認
(2)細菌の除去薬剤の内服(3日間)
(3)カビの除去薬剤での歯磨き
(4)除菌後の歯石とり(スケーリングやSRP)
(5)歯の表面についているバイオフィルムの除去(PMTC)
(6)定期検診
お口の中の菌とは?
ほとんどの方の口には、歯周病菌やカビ菌が存在します。
野上歯科医院では、患者様の口の中の汚れ(プラーク)をほんの少し採取し、それを顕微鏡で
観察することで、現在のお口の中の菌の状態や歯周病になりやすい状態なのかを判断します。
※㊧カンジダアルビカンス(カビ菌) ㊥スピロヘータ(歯周病菌) ㊨口腔トリコモナス(原虫)
どんな治療方法?
たくさんある抗生物質の中でも歯周病菌に対して効果のあるものは限られています。
現時点では、マクロライド系の「ジスロマック」が一番良いのではないかと考えています。
まず、大切なことは短期間で効果があるということです。あまり、長期間、抗生物質を服用すると耐性を持った菌ばかりが生き残る(菌交代現象)可能性もあり注意しなければなりません。
ジスロマックは3日間の服用だけで済み、安全性も確立された薬です。
ではなぜ、ジスロマックが効くのかというと、ファゴサイトデリバリーという特徴があります。この薬は体内に入ると、白血球中に取り込まれて、血中濃度の200倍に濃縮された状態になります。その白血球が感染病巣へ集まってきて菌を食べれると白血球が壊れ、取り込まれた薬が放出される仕組みです。だから、他の薬よりも歯周病に効くのです。
歯周内科の治療 その②
これはファンギゾンという抗真菌剤(カビのこと)を使っていただきます。
先にも述べたジスロマックだけでは、完全に歯周病が治らないケースがあります。
位相差顕微鏡で観察してみると歯周病の患者様のお口の中には健康な方よりも大量の
カンジタアルビカンス(カビの一種)が観察されます。
ただ、国際歯周内科学研究会会では、歯周病菌とカンジタアルビカンスの関係を明確にして
いないところもあり、見解が統一されていないのが現状です。でも、明らかにジスロマックだけ
では効果が半減することは事実です。このお薬は約1週間直接歯ブラシに付けて使って
いただきます。
歯周内科療法を受けてみて
1週間後の自覚症状の変化(患者様100人アンケート)
※国際歯周内科学研究会監修 顕微鏡検査のススメから引用